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6/22 / 銀杏BOYZ「世界平和祈願ツアー2016」初日Zepp DiverCity公演レポート

銀杏BOYZの8年半ぶりに開催された全国ワンマンツアー「世界平和祈願ツアー2016」の初日、東京Zepp DiverCity公演へ行ってきました。19:00過ぎに開演、アンコールを含む終演は21:30過ぎ、2時間半に及ぶライブでした。

以下、ツアー内容のネタバレを含む内容となります。この点を把握された方のみ読み進めていただきますようお願いします。

 

citizenpool.hateblo.jp

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19:00過ぎ、会場が暗転。ステージ奥の白い引割幕が両サイドから閉じられる。ステージへ向かう峯田の姿が白い引割幕をスクリーンに映し出される。ステージに峯田が登場。大きな歓声が沸く。スクリーンに映し出される映像がステージ正面から撮影されたものに切り替わる。本公演では峯田のソロ弾き語りの曲、また曲のイントロ・前半部分が弾き語りの曲は、ビデオカメラの映像出力を用いたリアルタイムのライブ映像上映が行われた。

1曲目「人間」(弾き語りのみ)。本公演でのライブ映像上映は(恐らく)3カメ体制で行われた(ステージと客席の間部分、客席フロアの中央部、客席フロアの後方部=PAブース、の3つ)。特徴的だったこととして、いずれも多くが寄りの画であり、引きの画はほとんど無かったということが挙げられる。峯田の目元アップ、演奏されるアコギのサウンドホール部のアップ、歌の部分での口元とマイクのアップ(目元さえカットされていた)などだ。本公演のライブ映像上映において、映像として音楽を映し出そう、という意思を感じた。歌に込めた思いを訴える瞳、アコースティックギターの指の弾きによる弦の震え、そして唇とマイクの距離感、すべてがスクリーン一杯に映し出された。

「僕たちとあなた達の、友達にも恋人にも家族にも言えない秘密の、その後ろめたいすべての罪を肯定したいと思います。」2曲目「生きたい」。峯田の弾き語りの中サポートメンバーがステージへ上がる。ギター:山本幹宗(ex-The Cigavettes)、ベース&コーラス:藤原寛(AL)、ドラムス:後藤大樹(AL)。

3曲目「若者たち」。曲のイントロでスクリーンの映像が消え、白い引割幕が開く。川島小鳥氏撮影による本ツアーのイメージ写真が大きく広がる。モッシュピットの圧縮が強くなり、後方から何人もダイバーが転がってくる。峯田もギターを抱えたまま客席へダイブ。峯田の歌声がスピーカーから聴こえなくなっても、歌は客席全体から大きく立ち上る。

「チン君がいなくなって、あびちゃんもいなくなって、村井くんまでいなくなって、1人でもう銀杏BOYZは出来ないんじゃないかって思ってしまったこともあったけど、そんなことは無かった。ステージに向かうとお客さんから飛んでくる怒号と罵声、何度夢に見たことか。フェスとかじゃなくて銀杏BOYZのために足を運んでくれた皆さんに感謝します、ありがとう」

「まだ見ぬ明日に」に続き、「大人全滅」を終えると峯田はベース藤原の元へ向かい、強くハイタッチ。そのまま指と指とを絡ませた。どちらもGOING STEADYの曲が元になった曲であるが、あの頃のように歌えないという思いに対して、今こうして歌いたいという思いが大きく上回った、その結果がステージの上で果たされた瞬間だった。

サポートメンバー3人はステージを降り、再び白い引割幕が閉じられる。5年前に故郷の山形へ帰省した際、高校時代の旧友との再会のエピソードが語られた。「17才(南沙織カバー)」、「ピンクローター」が演奏された。

ステージ下手からマネージャーが持ってきた椅子にアコギを抱えたままの峯田が腰掛ける。「16年前に作った曲を久しぶりに今日歌いたいと思います、佳代という曲です」「GOING STEADYでこの曲が入ったアルバムを発売したときに佳代ちゃんにもう歌わないでくれって言われて、そりゃそうだよね、こっちが勝手に思い出を美化してるだけなんだから、当の本人は堪ったもんじゃないと思うよ」「2年前に佳代ちゃんから久しぶりにメールが来て『あの頃は言えなかったけど、ありがとう』って。時の流れが解決してくれた、って思ったよ」

「佳代」の演奏を終えた後、「もう会えなくなってしまった人に、きっといつかまた会える、そう思って、そう信じて、ずっと歌を歌っていきたいと思います。」と峯田は語った。

「べろちゅー」。峯田の弾き語りの演奏が始まるとサポートメンバー3人は再びステージへ登壇する。ギター山本のイントロ、ギターアンプは鳴るものの、返しとメインスピーカーからギターの音が鳴らないトラブルが発生した。暫しの対応の後、山本は今すぐにどうぞと合図を峯田に送る。峯田は「大丈夫、1回ギターの音を出してみて」と確認を促す。山本はイントロ、ギターのコードを鳴らす。峯田は深く頷き、曲の頭から改めて「べろちゅー」が演奏された。

引割幕が開き、安藤裕子への提供曲「骨」のセルフカバーが演奏される。笑顔でギターを弾く山本の姿が印象的だった。今日のライブで披露された曲は大袈裟に言えば、峯田和伸の音楽生活20年のオールタイム・ベストというべき内容だった。サポートメンバーには原曲とそれらに施されるアレンジが命題として突きつけられる。そのプレッシャーは計り知れないものであると感じる。そうしたプレッシャーからの一時の解放が「骨」の自由な演奏から感じられた。

続いて「夢で逢えたら」、「あいどんわなだい」、「BABY BABY」が演奏される。客席フロアは狂騒と熱狂の盛り上がりに包まれる。ギターを置き、タンバリンを片手に歌った「漂流教室」。ベースの藤原はサポートメンバーで唯一コーラスも担当するが、この曲での彼のベースプレイはまさに歌うようにベースを鳴らす見事な指捌きだった。

「僕が歌を歌っているんじゃなくて、歌が僕を歌ってくれている、そう思います。この曲があなたにとって、あなたの隣に寄り添ってくれる、友達のような曲でありますように」と「東京」が演奏される。

再び引割幕が閉じ、弾き語りでの「新訳 銀河鉄道の夜」。

そして「光」。開演から2時間近く経った会場のモッシュピット、その雰囲気は極限の状態に達していた。辺りを見回しても虚ろな表情を浮かべる客も少なくなかった。しかし、ステージの上にいる峯田は音楽に突き動かされるように、歌う。そして再びステージへ戻ってきたサポートメンバー3人の、今日一番の迫真の演奏が繰り広げられる。峯田はサポートメンバーの演奏に心の底から嬉しそうな表情で歌う。ステージが光で満たされた圧倒的な瞬間だった。

「これから全国ツアーを回って、このメンバーで新曲を作って、8月に東京・中野でライブをします。またライブ会場で会いましょう」と「ボーイズ・オン・ザ・ラン」が演奏される。そして「僕たちは世界を変えることができない」を演奏し、ライブ本編が終了した。

アンコール。「照明さん、ステージの照明をオレンジ色の夕焼けにしてください」と告げ、「ぽあだむ」が演奏される。ぽあだむを終えると、山本と後藤はステージから捌ける。峯田と藤原の2人で「愛してるってゆってよね」が歌われる。「銀杏ボーイズ!」のコール&レスポンスが繰り広げられた。

終演後、峯田がステージから捌けるのを待たずに客出しのBGMが流れ出し、ライブは終演した。小沢健二「ある光」。

 

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