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8/17 中野 / 銀杏BOYZ 特別公演「東京の銀杏好きの集まり」

台風一過、東京。この日の東京は、青い空から残暑の陽射しが降り注ぎ、台風が残した心地よい風がそれを中和させるような気候だった。中野駅のホームから北に望むランドマーク、中野サンプラザへ。銀杏BOYZの8年半振りの全国ツアー「世界平和祈願ツアー2016」追加公演「東京の銀杏好きの集まり」へ行ってきました。

 

citizenpool.hateblo.jp

 

19時、ホールに開演を知らせるブザーが鳴り響く。客電が消えた後、ステージに大きな白いスクリーンが降下し、映像が映し出された。ラーメン屋。食事の後、峯田は店の前で写真を撮る。歓楽街。酒屋の外壁に大きく描かれたモナリザの絵の前で写真を撮る。ニッカウイスキーのネオンサインに照らされた、大きな交差点を渡る。コンビニの前で2人のサラリーマンに声を掛けられた。1人は30歳代のサラリーマン。写真撮影の要望に峯田は快く応じた。もう1人は50歳代のサラリーマン。「見てたよ、NHKのドラマ。録画して見た、良い作品だったよ」峯田が照れた表情を浮かべると、サラリーマンは峯田のドラマの役と違わない様子に喜びの表情を見せた。50歳代のサラリーマンからも写真撮影を求められ、峯田は応じた。続いて、20歳代の若者2人に遭遇、写真撮影を求められた。「せっかくススキノに来たからにはこの後風俗行くんですよね?」「ツアー中、エッチなお店には行かないって決めているんだよね」しかし、若者2人と峯田の会話は収まる様子を見せない。会話に何度も自主規制音が重なり、映像はフェードアウトした。

1曲目「人間」。暗闇の会場、スピーカーから峯田の歌声が鳴り響く。しかし、ステージにその姿は無い。スポットライトは1階の客席、下手中央のドアの前を照らした。白い半袖のTシャツ、赤い短パンに身を包んだ峯田はワイヤレスマイクを片手に姿を現した。総立ちになった客席の通路を峯田は歌いながら進んでいく。ステージの白いスクリーンにはライブで映像が映し出されている。真ん中からステージへ登壇した峯田は、アコースティックギターを肩に掛けるとワイヤレスマイクを捨て、有線のマイクから「人間」を弾き語りで歌い終えた。

峯田は本ツアーを振り返り、「札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡。1ヶ月半かけて8年振りに全国を廻って、東京に戻ってきました。ツアーを経験して一番に思ったのは、このまま行くしかねえなって。ダサくてもこのまま歌っていくしかねえんだ、って思いました」と語った。

2曲目「生きたい」が峯田の弾き語りから歌われる。静かにバンドメンバーがステージへ上がる。ギター&コーラス:山本幹宗(ex-The Cigavettes)、ベース&コーラス:藤原寛(AL)、ドラムス&コーラス:後藤大樹(AL)。弾き語りからバンド演奏へ曲の展開が移ると、ギター、ベース、ドラムの音は一つの塊となって会場のスピーカーから大音量でホール全体を響かせた。3曲目「若者たち」。ステージ後方の白いスクリーンが上がり、川島小鳥による本ツアーのイメージ写真が大きく姿を現した。続いて「大人全滅」。曲が始まると峯田はマイクで何度も自らの額を殴り、天を仰いだ。歌う峯田がステージから客席のフロアに降りると、観客は峯田の周囲に押し寄せた。峯田はモッシュピットのように揉みくちゃの様相となったエリアの中心で客席の椅子の上に登り、歌い上げた。

「大人全滅」を終えると再び峯田1人でのステージとなった。生まれてから18年間を過ごした故郷、山形を発った日のエピソードが語られた。20年前に作った曲です、心を込めて歌います、と「YOU & I VS.THE WORLD」が弾き語りで歌われた。続いて「佳代」。曲の冒頭、峯田は演奏を止め、「1つ隣の駅の高円寺には当時初めてお付き合いしたxx佳代さんのアパートがあって、今でも高円寺は僕にとって特別な街です」と曲に込めた思いが語られた。「べろちゅー」。峯田の弾き語りによるイントロが始まると、再びバンドメンバーがステージへ登壇し、バンド編成で演奏された。

新曲の「骨」、「夢で逢えたら」に続いて演奏されたのは「あいどんわなだい / I DON'T WANNA DIE FOREVER」。後藤による力強い四つ打ちのドラムは中野サンプラザのホールを大きく揺らし、観客を心の底から躍らせた。「この中野サンプラザで歌いたかった曲です」というMCの後に演奏されたのは「BABY BABY」。続けて、峯田はタンバリンを片手に「漂流教室」が歌われた。

「新訳 銀河鉄道の夜」。山本にスポットライトが照らされ、エレキギターのイントロで曲が始まる。峯田のエレキギターによる弾き語りを挟み、バンド演奏で曲が披露された。そして曲がサビへ展開されたその時、ステージ全体に上部から連なるように釣り下げられた、小さな白い電飾が一斉に点灯した。普段は1つの星も姿を見せない東京の夜に、満天の星空が広がった瞬間だった。

「光」。3人のバンドメンバーはステージを降りず、峯田によるジャズマスターの弾き語りから曲が始まった。曲がバンド演奏に展開されると、峯田はジャズマスターを捨て、ハンドマイクを掴んだ。3人のメンバーによる力強い演奏に後押しされるように、峯田は歌声を強く震わせた。続いて「ボーイズ・オン・ザ・ラン」。演奏が始まると、ステージの奥上部からシングル「生きたい」のイメージ写真(ジャケット写真の別カット)が降下し、大きく広がった。

「嘘だと思って聞いて下さい」と峯田は予め前置きした上で、「これから新曲をたくさん作って、アルバムも出して、8年も待たせずにライブを廻りたいです」と今後の活動の展望を語った。前奏に峯田の口からメンバー紹介が挟まれる「僕たちは世界を変えることが出来ない」を演奏し、ライブ本編が幕を閉じた。

アンコール。会場である中野サンプラザについて、峯田本人にとっての思い出深いエピソードが語られた。また、区の主導による再開発の関係で、現在の中野サンプラザが近く取り壊しになる話に触れ、「建て替えで中野サンプラザが1万人入る会場になっても、またライブが出来たら嬉しいです」と素直な思いを語った。アンコールの1曲目は「夜王子と月の姫」。歌詞の「九月の十一日」は「三月十一日」に替えて歌われた。続いて「ぽあだむ」。山本によるエレキギターのカッティングがイントロに鳴らされた。バンドによる演奏で披露された「ぽあだむ」を終えると「愛してるってゆってよね」のオケがスピーカーから流れ、ステージの上部からミラーボールが降下した。後藤と山本は静かにステージを降りた。峯田と藤原の2人はそれぞれハンドマイクを握り、歌う。「銀杏ボーイズ!」のコール&レスポンスは、回転するミラーボールの光に照らされた、中野サンプラザのホールに響き渡った。