年の終わりの纏めとて (2016)

9月

渋谷WWW Xにて開催されたAnderson .Paak & The Free Nationalsの来日公演へ。時にハンドマイクで、時に自らドラムを叩きながら歌うパック、そして彼の脇を固めるフリー・ナショナルズの演奏によるグルーヴに踊らされた。1時間強という決して長くないワンマンライブだったが、幸福と享楽がステージとフロアを満たしたひとときだった。会場となったWWW Xの音鳴りのヌケが良く、大音量でも煩く感じないサウンドシステムは、この日のライブの成功に一役買っていたように感じた。



10月

ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」第1話をオンタイムで観賞。10月の初め頃は、流石に2年連続の紅白は厳しいよなーという様相だったであろう星野源がお茶の間へのブレイクを果たした大きな一手。第1話のストーリーは登場人物の人となりの紹介に終始したものだったが(回を重ねる毎にそれぞれの人物像がより重層的になっていく物語の丁寧さも素晴らしかった)、エンディング、テレビの画面に映った「恋ダンス」の衝撃たるや。出演者勢揃いで踊る恋ダンスを初めて見たのがYouTubeではなくテレビの画面だったことはとても幸運だったと思う。

自分の母校である大学の学祭、サークルの催しに顔を出す。自分はOBなので、要は外野の人間になる訳だけれども、今回外野の人間として、らしさのある関わり方が出来たかなと思う。外野の人間だからこそ抱いてしまう客観性を活かす形で、催しに関わることが出来たように感じた。


11月

大学からの友人に誘われ、Zepp Tokyoにて開催された大森靖子のレコ発ツアーファイナル公演へ。彼女の楽曲の魅力であるポップなメロディーがサポートメンバーの演奏によって一塊のバンドサウンドになり、それをスピーカーからひたすらに浴び続けた2時間半だった。彼女の曲の歌詞からは、カメラを起動させたスマートフォンを鏡に向けた瞬間の、独りよがりが永遠に続いていくような感覚を感じた。


12月

Apple Musicの影響により、新譜を積極的に購入していなかった2016年の今までが嘘だったかのように、毎週発売日にCDショップへ駆ける1ヶ月だった。購入したものは以下の通り。

冨田ラボ「SUPERFINE」
cero「街の報せ」
・Various Artists「きれいなひとりぼっちたち」
GUIRO「ABBAU」
・KOHH「YELLOW TΔPE 4」
・原田晃行「機嫌予報」
 (購入順)

このラインナップが今年の年間ベスト!と呼んでも差し支えないくらいの充実ぶりであると感じる。これまで本ブログで取り上げたものを除いて1月~11月で挙げるとするならば、

サニーデイ・サービス「DANCE TO YOU」
Lantern Parade「遮断する」
・ナツノムジナ「艀 ・ 凪」

になるだろうか。

来年の話をすると鬼が笑うと言うけれど、来年の発売が予定されているELMERのファーストアルバム、どついたるねんのニューアルバムへの期待も膨らむばかりだ。