2018

George Clanton / Slide
Bill Ryder-Jones / Yawn
Sandro Perri / In Another Life
Joji / Ballads 1
5lack / Keshiki
odd eyes / Self Portrait
Jun Kamoda / S.T.
マーライオン / ばらアイス
本日休演 / アイラブユー

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今年が自分にとってどんな年だったかと考える。震災が終わった年だと思った。2011年3月11日の震災。ずっとその延長線上で生きてきて、今年、その線が途切れて消えたような感覚があった。私が大学生になったのは震災から1ヶ月後のことだった。言うならば大学生だった頃の自分が過去になって、無くなってしまった年だったのだと思う。

夏、大学のサークルのOB・OGが一同に集まる機会があった。当時から付き合っていた部員同士が結婚するとのことで、そのお祝いも兼ねた集まりだった。一番最初にその報告をLINEで聞いた時、その嬉しさに自分でも驚くほどの高揚感を覚えた。プレゼントは何にしようかと考えて、真っ先に思い浮かんだものが一つあった。大学生の頃、後に結婚する2人と自分の3人でコピーバンドを組んで、幾度となくサークルでライブ演奏をしていたandymoriのアナログレコードだ。しかし、ヤフオク、メルカリ、Discogs。探せども探せども見つからない2週間。諦めの感情が滲み出そうになったその時、奇跡のようなタイミングで吉祥寺のココナッツに入荷の報せ。その翌日、自分の足は店へ向かっていた。JR中央線の高架下、いぶきうどんの前を早足で通り過ぎる。まだ売り切れていないでくれ、と逸る気持ちを推進力にずんずんと前へ進む。そして、店舗の前に到着した。心臓の鼓動を強く感じながら、意を決して店のドアを開け、半地下の階段を降りる。間も無く、お目当てのレコードが視界に飛び込んできた。体育座りの3人がこちらを見つめる黄色いジャケのレコード。棚からレコードを手に取り、確かめるように裏と表と何度もひっくり返すひととき。会計の前に店員さんに声を掛け、ヘッドホンを借りた。手に握った汗をズボンで拭い、レコードの盤を取り出す。試聴用のターンテーブルに乗せ、ヘッドホンを装着する。針を落とす。たった8分弱で終わってしまうA面。レコードが鳴らすロックンロールに耳を傾けながら、かつて大学生だった日々を思い返しては、自分の望みとは裏腹に綺麗に美化された思い出へと変わっていってしまうように感じ、切ない気持ちになった。

秋、函館の映画館で「きみの鳥はうたえる」、兵庫・宝塚の映画館で「寝ても覚めても」を鑑賞した。自分の直感で作品のロケ地(の近く)に行って映画を見たのだけれど、そのような行動を取った本当の理由は、映画のフィクションの中に自分が溶け込んでしまいたかったのだと思う。

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8月から新しいブログを始めました。ミュージシャンの方がパーソナリティを務めるラジオ番組の選曲を逐一記録するブログです。選曲を掲載すると同時にApple Musicのプレイリストも作成し、併載しています。ラジコのタイムフリー期間の1週間が過ぎた後でもその時のオンエアを振り返れたらいいなと思い、始めました。完全に趣味のブログですが、よかったらご覧ください