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8/11 新木場 / cero presents 「Traffic」

15:00過ぎに新木場駅へ到着した。りんかい戦と有楽町線の終着駅、京葉線だけが荒川を越え東京湾に沿って千葉へ向かって行く。お盆に差し掛かった"山の日"の新木場駅は、大きな荷物を抱えてエスカレーターに乗り込む人々も少なくなかった。そんな新木場駅で下車した後、普段は10tトラックが何台も行き交うであろう道路の横断歩道を渡り、STUDIO COASTへ。

屋外のスペースに設営された出店のテント、フードトラックとグッズの物販を一通り眺める。屋内のBARスペースでドリンクを引き換えた後、メインステージの扉を開けると、既にクレイジーケンバンドのライブが始まった後だった。今日のイベントの出演者の中では最も長い、19年のキャリアを誇るCKBのステージングはベテラン然とした圧巻のものだった。10名超のバンドメンバーで演奏される珠玉のソウルナンバーや、小野瀬雅生ショウ(Vo横山剣はスケージから掃け、Gt小野瀬をはじめとした楽器陣がそれぞれのソロプレイを繰り広げるコーナー)など、50分というCKBとしては短い時間であったが、バンドの魅力が凝縮されたライブだった。

メインステージのライブが終わる度にBARスペースや屋外の出店エリアは中々の混雑だった。一方で転換中のメインステージのフロアは十分な余裕があり、フロア後方には座り込む人々など、長丁場のイベントらしい様子も見られた。続いてのライブはseiho。Kan Sano(Key)と松下マサナオ(Dr / from Yasei Collective)を迎えたバンドセットでのライブとなった。中性的なルックス、"オフショル"の衣装、花を生けた花瓶に牛乳を灌ぎ、飲み干すパフォーマンス。seihoによるエレクトロサウンドはきわめて記号的で細胞的だ。そしてKeyとDrの2名による演奏が、seihoの音楽を組織的で有機的なものへ押し広げていくライブだった。

メインステージでは5組のミュージシャンが出演した本イベントの丁度真ん中、3組目に登場したのはランタンパレード(バンド編成)。他の4組はそれぞれの風をフロアに吹かせるライブを披露したが、ランタンパレードの音楽は風の吹かない凪であり、台風の目だった。冒頭に「はずれろ天気予報」「夏の扉」の後、アルバム「魔法がとけたあと」から多くの曲が披露された。現実の感覚、その手触りをそのままに落とし込んだ歌詞がバンドの生演奏とともにSTUDIO COASTという大きなライブハウスに響き渡る。曲の演奏を終える度に、Gt&Vo清水はまっすぐな声でありがとうと観客に告げた。ライブ終盤、「回送列車は行く」に続いて披露された「甲州街道はもう夏なのさ」にフロアは大きく沸いた。曲の終わりに「cero、ありがとう」と告げ、ランタンパレードのライブは幕を閉じた。

続くメインステージのアクトはOMSB & Hi'Spec。本イベントで唯一のヒップホップ系の出演者である自覚からか、OMSBはフロアの雰囲気を確かめるMCを観客に何度も投げかけた。一方ライブ演奏では、Hi'Specが鳴らすLowの効いたトラックとOMSBのアグレッシブなフロウがフロアを圧倒した。楽曲のリリックに裏付けられた"ヒーロー"然としたライブは、彼自身のストレートな心情の発露だった。最後の曲を終えた後、「いよいよ真打の登場だ、最後まで楽しんで帰ってくれよ」と本イベントの主催者であるceroへ引導を渡した。

本イベントのメインステージのトリ、ceroのライブはアルバム「Obscure Ride」の1曲目「C.E.R.O」で幕を開けた。「Yellow Magus」に続いて演奏されたのは「Summer Soul」。間奏でリズムが重く変化した。「このビート、さっきも聞いたでしょ?」と高城がスペシャルゲストとしてOMSBをステージに呼び込む 。今回の為に書き下ろされたOMSBのラップが乗ったエクスクルーシヴな「Summer Soul」となった。「Orphans」、新しいアレンジで演奏された「ターミナル」を終えた後、VJとしてVIDEOTAPEMUSICが紹介される。その後、「わたしのすがた」「Elephant Ghost」「Contemporary Tokyo Cruise」の3曲が「VIDEOTAPEMUSIC × cero」として披露された。ライブ終盤、高城はMCで今回のイベントを回顧し、その手応えと、次回の開催を期待とともに熱望の思いを滲ませた。その後、本編ラストの「街の報せ」、アンコールに「Fallin'」が演奏され、cero presents「Traffic」のメインステージが締めくくられた。