2/22 「愛地獄」感想

ポレポレ東中野での先行上映にて鑑賞。

銀杏BOYZライブ映像作品「愛地獄」本作品は3つのライブ公演を主に構成されている。
2008年、北海道石狩市、ライジングサンロックフェス。
2011年、岩手県盛岡市、スメルズライクアヴァージンツアー。
2015年、福島県いわき市、ギフト2015。
いずれも銀杏BOYZの活動拠点である東京よりも北の地、東北・北海道でのライブ映像である。本作品に収められたライブ中のMCにおいて、そんな彼らと東北との縁が改めて語られている。

高校卒業・大学入学を機に、都会の絵の具に染まりたい思いを胸に故郷の東北は山形を足蹴に上京した峯田であったが、都会の日々に馴染めず、高校の同級生だった村井と山形出身という縁の安孫子をバンドに迎え、GOING STEADYとしてブレイク。銀杏BOYZとなった後も、彼ら2人はメンバーとして活動を続けた。

2015年、いわきで行われた銀杏BOYZのステージに立っていたのはアコースティックギターを抱えた峯田ただ1人であった。2014年に発売された9年ぶりのアルバム「光のなかに立っていてね」が完成・発売に至る過程において、中村・安孫子・村井の3人は銀杏BOYZを脱退した。

それほどにステージの高くない、小さなライブハウスでたった1人アコギを弾き歌う峯田和伸は1人の男、1人の丸腰の人間であった。その心細くも生々しく、観客の野次に鼓舞され歌う姿はがらんとしたステージから発せられる音楽だった。

ライジングサンロックフェス、スメルズライクアヴァージンツアーでは、アルバムの完成を目指しバンドとして活動していた銀杏BOYZが記録されている。GOING STEADYの頃から数えれば、村井・安孫子との付き合いは15年以上に渡る。そんな彼らとの別れの思いは、故郷との別れに重ねて(時として故郷に戻ってきてしまう未練とともに)写し出されているように感じた。

2/1 「圏外編集者」感想

都築響一さんの「圏外編集者」を購入。一気に読み終える。編集者とは何者なのか、この本を読む前に自分なりに練り固められていたイメージとこの本に書かれていた正解はそう違わない印象を持った。それは、(取材対象となる)モノについて、自分が面白いと思える視点・切り口から取り上げ、無駄なく必要十分な形で受け手に提供する人、のことである。都築さんは出版側の編集者なので、雑誌や書籍で例示されていたけれど、テレビ番組にも大いに通じる点があると思った。ドキュメント72時間だったり水曜日のダウンタウン、人生のパイセンTV、家ついて行ってイイですか?などのドキュメンタリー/ドキュメント系バラエティ番組が今日の好評を受けている理由は、その番組によって得られる情報がGoogleに載っていない/Googleの検索窓に打ち込まれない情報であり、多くの視聴者の生活圏には関わらないものの確かに存在する日常のような、インターネット全盛の現代においても視聴者にとって知られざる情報を無駄なく、番組らしさの出るテンポで提供しているからであると改めて思った。編集者として1番に求められるものはどのような視点・切り口から取り上げるかというセンスであると思う。しかしそのセンスを磨くためには成功も失敗も含めて数多くの幅広い経験を積むことが重要であるし、失敗が重なったとしても成功を目指して前へ進む情熱が求められるのだろうと思う。

1/29 新大久保

新宿のタワーレコード、ポイント10倍だったのでブッチャーズのyamane(再発)を購入。アパートへ帰ろうかなと副都心線に乗り込むもホームドア点検の影響で雑司ケ谷で足止めを食らう。そういえば、と思い出し東新宿へUターン。時間も少し早いので新大久保のドンキの2階にあるコメダで小休止。場所柄か同伴出勤らしきアベックもちらほら見かけた。小腹を満たした後、同じく新大久保のカフェアリエへ。高橋翔さんのライブ。1年前の3月、自分が上京した翌日か2日後かに翔さんのライブがあって、確か昆虫キッズを解散して初めてのソロライブ、だったのかな。oono yuukiさんとの2マンだったような。この1年で何回かアリエでのソロライブを見に行っていたので記憶が確かではないのだけれど。正直何度も通うと、お客さんも見慣れた顔の人が回数を重ねるごとに増えていく。しかし会話を交わすことも特に無く、その感じもまた何かいいな、と思ったり。不意に街中で見かけたりしたら声を掛けてしまいそうな気もする。高橋翔さんのライブ、何回か見てきたけど良かった、今日が一番だと思った。バイクの曲(「バイクを買って、眺めていたい」という歌詞の曲)が一番好きなんだけれど、良かった。そういえば、バイクの曲が入ってるCDをわりと前のライブで買った覚えがあるのだけれど、存在を完全に忘れていたし、CDはインポートもせず部屋のどこかに消えていてしまったことに気付いた。部屋のどこかにあることは確実なので、別に探さなくていいような気もする。トリプルファイヤー吉田さんのソロライブ、身も蓋もなかった。家に帰ってトリプルファイヤーのライブ音源を聴いたら恰好良すぎて笑ってしまった。

1/5 「劇場版 501」感想

「ヤルかヤラナイかの人生なら、俺はヤル人生を選ぶ。(テレクラキャノンボール2013)」
という至言を生み出したビーバップみのる監督によるドキュメンタリー怪作(AVのようなもの)。
お坊さんが座禅を組んで悟りを開くように、彼ら(ビーバップみのる氏を始めとした一部のAV監督)はセックス(性交渉)をすることで悟りを開くというか、そこに何らかの答えを見い出そうとする。
そんな目論見から立ち上げられたプロジェクト501、軸となるはずだったAV女優/霜月るな(24歳)に対しビーバップみのる氏はアプローチするも、重ねる度に彼女の心は離れてしまい、(本来の)プロジェクトはあえなく頓挫してしまうことに。
予め日程が限られ、6人のAV監督のバトル形式で開催されたテレクラキャノンボールとは異なり、ビーバップみのる氏の孤独な戦いであったプロジェクト501は本来決められた3日間の日程で決着は付かず、長く混沌とした延長戦へ突入する。
この劇場版はその長い延長戦にビーバップみのる氏なりのケジメをつけるまでの記録を1時間58分という映画用の尺に収めようとしたもののほぼ収拾がつかなくなってしまった、そんな結果を含めてのドキュメンタリーである。
テレクラキャノンボール2013では主導権を握り続けた格好いいビーバップみのる氏の姿が記録されているが、ドキュメント501におけるビーバップみのる氏は当初のプロジェクトで主導権を掴み損ねたことをきっかけに、正解を探してもがき苦しむ無様な姿が記録されている。
そんな彼に対してこの作品の最後に登場する女性から掛けられる言葉はビーバップみのる氏にとってはすれ違ってしまう言葉のように感じられて、哀しい。
「ヤル人生を選んで、結果として何もかもがうまくいかない」んだけれど、そこで何とかモノにしようとするビーバップみのる監督の情熱のようなものがスクリーンを通じて自分の心に移ってくる、そんな映画でした。


「頑張らなくてもいいけど、頑張れよ。」

2016

2016年、新しく始めることの1つとしてこのブログを立ち上げます。日記じゃなくてブログ。自由に文章を吐き出していきたいと思います。

今年は、今までとは違う新しい方向にお金の使い方を変えていきたい。その日暮らしはやめて(大貫妙子)、都会に暮らしているのだから、CDを買ったり映画を見るような文化に限らず、落語であったり演劇のようなナマの文化に飛び込んでいきたい。

もうすぐ1年が経とうとしている都会の暮らしはとても退屈で、なぜなら、の1番の理由は自分自身で、そんな自分自身のケツをブログで叩きます。

よろしくどうぞ。

 

(日めくり)まいにち、修造!

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